アングレカム・ディディエリ Angrecum didieri Ball. ex Finet は、ラン科植物の1つ。マダガスカル島産で香りのある白い花をつける。

特徴

着生の草本。草丈は10-15cmほどと、この類では小型な方である。茎は円筒状で、葉を二列に生じる。葉は長さ10cm前後で細長くて線形、葉質は硬い。葉の先端は2つに裂け、その左右は不均等になる。

開花期は冬、花茎には1-2個の花を生じ、あまり伸び出ない。花は径6cm程で、色は白、香りがある。萼片は線状披針形で、側花弁は萼片より細く、左右に張り出す。唇弁は心臓型をなし、基部から細い距が下向きに垂れる。

学名の種小名は人名にちなむ。

分布と生育環境

マダガスカルに産し、標高600mから1500mまでの森林内に生じる。

利用

洋ランとして栽培される。本属としては比較的小型種であり、扱いやすく、花は星形で美しく、香りもあり、また栽培も比較的容易で花付きもよい。

出典

参考文献

  • 『園芸植物大事典 2』、(1994)、小学館
  • 唐澤耕司他、『カラー図鑑 世界観賞用野生ラン』,(2017)、オーム社
  • 岡田弘、『咲かせ方がよくわかる はじめての洋ランの育て方』、(2011),主婦の友社

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