1997年の文学(1997ねんのぶんがく)は、1997年(平成9年)の文学についてまとめた記事である。
できごと
- 1月13日 - 妹尾河童の『少年H』が講談社より発売される。同書はトーハン発表の「1997年年間ベストセラー」総合8位を記録した。
- 1月16日 - 第116回芥川龍之介賞・直木三十五賞(1996年下半期)の選考委員会開催。
- 8月 - 「青空文庫」が開設される。
- 10月 - 三島由紀夫と川端康成が交わしていた94通の書簡が雑誌『新潮』に掲載。
賞
芥川賞・直木賞
- 第116回(1996年下半期)
- 芥川賞 - 柳美里『家族シネマ』、辻仁成『海峡の光』
- 直木賞 - 坂東眞砂子『山妣』
- 第117回(1997年上半期)
- 芥川賞 - 目取真俊『水滴』
- 直木賞 - 篠田節子『女たちのジハード』、浅田次郎『鉄道員』
その他の賞
- 谷崎潤一郎賞(第33回) - 保坂和志『季節の記憶』、三木卓『路地』
- 泉鏡花文学賞(第25回) - 村松友視『鎌倉のおばさん』、京極夏彦『嗤う伊右衛門』
1997年の本
小説
- 宇江佐真理 『幻の声』(文藝春秋)
- 恩田陸 『三月は深き紅の淵を』(講談社)
- 貴志祐介 『黒い家』(角川書店)
- 京極夏彦 『嗤う伊右衛門』(中央公論社)
- 桐野夏生 『OUT』(講談社)
- 鷺沢萠 『君はこの国を好きか』(新潮社)
- 佐藤愛子 『風の行方』(毎日新聞社)
- 佐藤亜有子 『生贄』(河出書房新社)
- 佐藤多佳子 『しゃべれども しゃべれども』(新潮社)
- 篠田節子 『女たちのジハード』(集英社)
- 高村薫 『レディ・ジョーカー』(毎日新聞社)
- 富岡多恵子 『ひべるにあ島紀行』(講談社)
- 姫野カオルコ 『受難』(文藝春秋)
評論
- 加藤典洋 『敗戦後論』(講談社)
- 三島由紀夫『芝居の媚薬』(角川春樹事務所)
その他
- 川端康成・三島由紀夫『川端康成・三島由紀夫 往復書簡』(新潮社)
- 岸田今日子 『妄想の森』(文藝春秋)
- 多木浩二 『シジフォスの笑い』(岩波書店)
- 俵万智 『チョコレート革命』(河出書房新社)
- 手塚治虫 『ぼくのマンガ人生』(岩波新書)
- 中西輝政 『大英帝国衰亡史』(PHP研究所)
- 村上春樹 『アンダーグラウンド』(講談社)、『若い読者のための短編小説案内』(文藝春秋)
- 村上春樹・和田誠 『ポートレイト・イン・ジャズ』(新潮社)
物故
1月 - 3月
- 1月6日 - 宇野利泰、日本の翻訳家。87歳没。
- 1月26日 - 藤沢周平、山形県出身の小説家。69歳没。
- 3月7日 - 中山容、日本の翻訳家。65歳没。
- 3月15日 - 大庭さち子、京都府出身の小説家。92歳没。
- 3月21日 - ウィルバート・オードリー、イギリスのキリスト教聖職者・児童文学者。85歳没。
- 3月22日 - 内田莉莎子、日本の翻訳家・児童文学者。68歳没。
4月 - 6月
- 4月5日 - アレン・ギンズバーグ、米国の詩人。70歳没。
- 6月8日 - ジョージ・ターナー、オーストラリアの小説家・評論家。80歳没。
- 6月13日 - 宮本美智子、日本のノンフィクション作家・翻訳家。51歳没。
- 6月16日 - 住井すゑ、日本の小説家。95歳没。
7月 - 9月
- 7月1日 - 井上友一郎、大阪府出身の小説家。88歳没。
- 8月2日 - ウィリアム・S・バロウズ、米国の小説家。83歳没。
- 8月5日 - 赤松月船、岡山県出身の詩人・僧侶。100歳没。
- 8月26日 - 新庄嘉章、日本のフランス文学者・翻訳家。92歳没。
- 9月2日 - 上崎美恵子、日本の児童文学作家。72歳没。
- 9月2日 - ヴィクトール・フランクル、オーストリアの精神科医。『夜と霧』の著者として知られる。92歳没。
- 9月14日 - 青海健、日本の文芸評論家。44歳没。
10月 - 12月
- 11月5日 - アイザイア・バーリン、イギリスの哲学者。ラトビア出身のユダヤ人で、1919年以降イギリスに住むようになった。88歳没。
- 11月25日 - ジョン・シルキン、イギリスの詩人。66歳没。
- 11月26日 - 奥野健男、東京府出身の文芸評論家。71歳没。
- 11月30日 - キャシー・アッカー、米国の作家。50歳没。
- 12月20日 - 伊丹十三、京都市出身の俳優、映画監督、エッセイスト。64歳没。
- 12月25日 - 中村真一郎、日本の小説家・評論家。79歳没。
- 12月30日 - 星新一、東京市出身の小説家。71歳没。
脚注
参考文献
- 『決定版 三島由紀夫全集42巻 年譜・書誌』新潮社、2005年8月。ISBN 978-4106425820。
関連項目
- 文学賞の一覧



